LAMU の考察 Blog『すずめの戸締まり』

新海誠監督作『すずめの戸締まり』の関連情報の紹介と、本編の考察を綴る LAMU 最後のブログ

ミニ考察 ②③ 草太が座っていた三本脚イスと「だいじ缶」他

 

※ ここからは ♪ サントラ:すずめの戸締まり ♫ を BGM に流しながらお読みください・・・ 💁

   

ちょこっと気になる一コマ ②    草太が座っていた三本脚イスと「だいじ缶」

 この 👆 の草太が座っている子どもイスの脚は一本欠けており、鈴芽が階下から救急箱を持ち出して来る間、草太は「すずめのだいじ」と書かれた赤い缶を脚の代用にして使っていました。この光景は一際シンボリックな印象を受けましたね。新海監督曰く、三本脚の「すずめのいす」は、震災の傷の象徴であり、お母さんが亡くなってしまったという鈴芽の心の傷の象徴とのこと。その三本脚の椅子をずっと抱えながら鈴芽は旅をしていくわけですが、三本脚であっても椅子になった草太は立つことが出来る。走ることも出来て、鈴芽がその上に座ることだって出来るのです。鈴芽も私たちも、欠けたままの心であっても生きていけるんだってことを、新海監督は視聴者に伝えたかった (「新海誠本2」p.9 一部改変) ようです。なので、まだ人としての草太が「すずめのいす」に座るとき、傍らにあった「すずめのだいじ缶」を四本目の脚にしたというのは意義深いですよね。

 ちなみに「すずめのだいじ缶」はもう一つあり、東北の自宅庭から鈴芽によって掘り出されました。絵日記は宮崎のほうの缶には入ってなかったのですが、どちらの缶も鈴芽のこころを表していて興味深いところです。被災直後、当時4歳だった鈴芽が自宅の跡地に穴を掘って埋めたとされる東北のほうの缶箱と、環と過ごすようになってから集めたであろう宮崎の缶の存在。鈴芽が肌見放さず東北から持って来れたのは唯一、三本脚の子どもイスのみ。後にダイジンによってその椅子に姿を変えられる草太は、欠けた脚の代わりに宮崎の缶を使って座っていたことから、草太の存在そのものが、トラウマを抱えたまま12年の歳月を生きてきた被災者:鈴芽の心と等価である、あるいは鈴芽の成長の行く先で必然的に草太との出逢い (再会) があると受け取れ、感動いたしました。

ちょこっと気になる一コマ ③    陽菜・帆高が友情出演しない代わりの演出?

 劇中で『君の名は。』の挿入歌 ♪ 糸守高校 と『天気の子』の挿入歌 ♫ K&A 初訪問 が使われた本作『すずめの戸締まり』。これまでの新海作品には定番だったファンサービス:前作のキャラが友情出演するという粋な計らいが、今作では未だ確認されていませんよね。これはすなわち、前作の主人公である陽菜と帆高を出演させない代わりに、ファンには聞き慣れた挿入歌を使用することで、ファンにサービスしたということでしょうか? 私的にはそれもアリだと思っていますが。

引用出典:新海誠本2

画像出典:天気の子 フォトギャラリー

動画出典:Bee Add − Open Space −

 

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